2006年10月16日        

中途失明者の自立と理解促進へ/障害者団体が議員対象に初のセミナー/広島市


 広島県議会公明党の日下美香議員と広島市議会公明党の渡辺好造、原裕治、西田浩、米津欣子の4議員は16日、「視覚障害者の自立をすすめる会」(佐々木健二会長=会員約120人)が議員を対象に広島市で開いた視覚障害者理解のためのセミナーに出席し、同障害者の実情や行政支援の現状を学んだ。
 『公明議員が積極的に参加』
 『訓練士不足の実態などを聞く』
 同会は、人生の途上で視力を失った中途視覚障害者のグループで、議員を対象に企画したセミナーは初めて。セミナーでは、最初に佐々木会長が「目の見えなくなった人が、どんな生活をしているのかを少しでも勉強し、理解を広げていただければ」とあいさつした。
 講演・学習会では、視覚障害者の歩行訓練や日常生活動作訓練に当たっている歩行訓練士の萬あおいさんが、「見えていた時と同じ暮らしをするために」と題して講演した。
 萬さんは、視覚障害者の歩行機能や生活能力回復のための早期リハビリの大切さを強調した上で、日本では何年も治療だけに頼り、社会復帰できないまま“引きこもりの不安な生活”を続けている人が多いと指摘。米国では「眼科医との連携もシステム化され、障害者は長くても2カ月以内にはリハビリに通う流れになっている」と紹介した。
 この後、模擬体験に移り、参加者が自席から目隠し(アイマスク)をして会場前列まで歩いて移動。机の上に置かれたコーヒーカップにスプーンでコーヒーと砂糖を入れ、ポットのお湯を注ぎ、カップを持ったまま自席に戻る演習を体験した。
 日下議員は初めての挑戦に、「想像以上に怖かった。屋外に出て歩くことの困難さを実感しました。皆さんが安心して暮らせる生活環境を一日でも早く実現できるよう全力で頑張ります」と語った。
 同会の世話役を務める土井基広さんは、「(公明党議員の)熱心な参加に感謝します」と述べるとともに、視覚障害者のための歩行訓練士の配置やリハビリセンターの利用拡大を要望していきたい、と語った。
 障害者手帳を持った視覚障害者は全国で30万1000人、広島県内で1万1000人、広島市内で3400人という。県視覚障害者団体連合会では「このうちの60%以上が中途障害者」とみている。
 萬さんの話によると、生活能力やパソコンの機器指導、単独歩行指導などができる歩行訓練士は現在、東京や大阪を中心に全国で358人。広島市内では萬さん一人だけという。

目隠しをしてコーヒーを入れる実験体に挑戦する公明党の県・市議ら